魂を揺さぶられる映画

話題の映画を観に行ってきました!

凄く衝撃的、真に迫る気味の悪さ、哀しさ、
でも個人的には鳥肌が立つほどの感動、
魂が揺さぶられる最高の作品でした。

主演は夭折した名優リバー・フェニックスの弟の
ホアキン・フェニックス。
役者さんの仕事をここまですごいと思えたのも
初めてというほどの怪演で、
圧倒的な存在感、身体つき、身体の使い方、
心の内面を如実に語る表情の変化、
観る人の心を鷲掴みにする全身全身の演技が
本当に素晴らしかったです。
題材としても、2極化がより進み混沌とした
いまの時代にこそ支持されているのも
納得できる映画でした。

心優しい主人公アーサーが、
貧困や他者からの無慈悲、無理解、無視、
差別の果てに悪の化身へと変貌。
次々人を殺めた挙句民衆の不満を煽動し
ある種のアイコンやカリスマになっていく姿。
最終的には、
既得権益側、富裕者層を震え上がらせた上
「報いを受けろ」と迫るシーンからは、
日本の某政治家さんやトランプさんのような
所謂アンチヒーロー像など様々な事を想起しました。

一見ミステリアスホラー。
でも、決してそうした側面だけではなく
社会派でありスピリチュアルな映画だと思いました。
社会の中には抗いようのない苦しみや
貧困に立たされている人が確実に存在しているし、
人生には何が起こるかは予測不能で
誰もがjokerになりうる可能性を秘めている。
そして、突き詰めれば物事に善悪なんかなく
ある角度からあるフィルターを通してみた
ジャッジに過ぎない。
「他者理解」の精神、「思いやり」を
大切にしようよっていう物語だと思いました。
(勿論、だからといって主人公の侵した罪を
肯定するものでも決してありません)


エゴの正体は傲慢さや自己中以上に
他者への無関心。
自分さえ幸せなら豊かならそれで良いじゃなく、
いろんな人が生きてるこの世の中。
明日は我が身で誰かに起こる出来事は広い意味では無関係ではない出来事。
一つの一つのニュースの裏に確実に存在しながら
決して語られない
人間の営みやリアルなドラマ、一人一人の思い。
普段の仕事を通じて
自分は何を感じて何を伝えるべきなのか
改めて考えさせられました。

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